コスメ開発を成功させるコツは
『顧客ファースト』と『製造開発パートナー選び』

国内外化粧品メーカーからスタートアップ会社まで、さまざまな企業と取引を行なっているケミコスクリエイションズ。クオリティの高い製品開発はもちろん、クライアントが求めるニーズの理解度やヒアリング力は業界内から高く評価いただいております。
数ある企業の中から、今回はブランド立ち上げ当初から関わりのあるコスメブランド『LUMIURGLAS(ルミアグラス)』の開発秘話について伺いました。

株式会社 カティグレイス
ルミアグラス ブランドマネージャー
影山 千尋さん
ブランド立ち上げのきっかけは「自分に合ったアイテム」作り
―現在、国内に存在するコスメ企業は、少なく見積もっても600以上あると言われています。競争率の高い分野でありながらも、ブランドを立ち上げようと決意されたきっかけについてお聞かせください。
影山さん:ルミアグラスの創立メンバーは、当初はわずか3人の女性でした。全員がコスメ好きで「いつかは自分達のコスメブランドを持ちたい」という思いを抱いており、数あるコスメの中からリキッドアイライナーを選ぶことに決めました。その理由は、3人揃って無人島に1つだけ持っていくコスメを「アイライナー」と回答したから。リキッドアイライナーは必需品コスメであることを再認識して、すぐさま開発することとなりました。
―確かに、女性にとってアイライナーはメイクに欠かせない必需品です。そして開発時点でも既に多くのリキッドアイライナーが存在していたはずです。他社ブランドとの差別化を図るにあたり、ルミアグラスはどのような点にポイントを置かれたのでしょう。
影山さん:立ち上げメンバー全員が共通して感じていたのは、「たくさんのリキッドアイライナーがあるのに、どれも満足できる製品がない」という点でした。毎日使うアイテムだからこそ、色味や筆の描きやすさなど、細かな部分に不満を感じやすいのです。例えば、あるメンバーは色のバリエーションが少ないと感じ、他のメンバーは筆の細さやバルク(リキッド液)の出具合に不満を抱いているなど、まだまだ改善の余地がある市場だと考えていました。

―市場に出回っている製品ほとんどが、ユーザーの要望を満たせていないと感じられたのですね。
影山さん:その通りです。そこでルミアグラスは、“全てのユーザーが自分に合うと感じられる一本”を作ること。それこそが他製品との差別化になると考えたのです。
無謀な課題も「NO」とは言わないOEM企業との共同開発

―リキッドアイライナーに対する並々ならぬ情熱を抱いていたのですから、製品開発のパートナー選びにはさぞかし慎重になったと推察します。
影山さん:OEM企業のパートナー選びには、さほど時間はかからなかった気がします。リキッドアイライナーの製造開発に特化した企業で、20年以上の実績を重ねているところはケミコスクリエイションズ以外には見当たりませんでしたから。この企業とパートナー関係を築けば、自分たちの要望を満たしてくれるに違いない。スタッフ全員同じ気持ちでいたと思います。
―業界知名度と実績を加味して選ばれたのですね。そこからの開発過程について詳しくお聞かせください。
影山さん:私たちが開発でこだわったのは、大きく3つです。まずはバルク(リキッド液)の処方。毎日使うものだからこそ肌への優しさを重視し、顔料ベースでの開発を選びました。染料に比べて色の展開幅は狭くなりますが、理想の発色を実現するために難易度の高い調整をお願いしました。
次にボトルの仕様です。持ちやすさと描きやすさとのバランスを重視し、何度も試作を重ねて最適な形、質感にたどり着きました。
そして最後が筆です。ルミアグラスのスキルレスライナーでは0.1mmの極細筆を採用しています。ただ細いだけではなく、筆に適度なコシを持たせることで、誰でも簡単に繊細なラインが描ける仕上がりを目指しました。
―細やかなこだわりが詰まった1本ということですね。
影山さん:ここまで細かいオーダーをしたのは、弊社が初めてかもしれませんね。それでも、ケミコスクリエイションズさんは常に前向きな姿勢でチャレンジしてくださいました。改めて、この企業を選んで良かったと思います。
ブランド構想から1年で完成させたスピード感と豊富な情報量
―理想の1本を作るためには、何度も試作を重ねたと話していました。実際の完成までにはどれくらいの年数をかけたのでしょう。
影山さん:構想からローンチまで、およそ2年の時間を費やしました。実はもう少し早くお披露目できる予定だったのですが、コロナ禍ということもあり、当初の発売予定日から大幅に遅れてしまったんです。それさえなければ、恐らく1年で販売に漕ぎ着けることができたと思います。
―このスピードで完成できるのは、他の企業ではあり得ないことだと思いますよね。
影山さん:ケミコスクリエイションズさんは、リキッドアイライナーに特化したOEM企業だから実現可能だったんだと思います。ちなみに追加カラーの発売は、わずか半年で実現させました。こちらも試作は重ねていますが、言葉だけで伝えた色でも、高い再現度で仕上げてくださるんです。言葉足らずな私たちのわがままも、即座に対応してくださるのは本当にありがたいことです。

―ブランド立ち上げ当初はコスメ業界の知識に疎い状態だったと思います。ブランドを立ち上げるにあたり、ケミコスクリエイションズさんからアドバイスなどを得ることはありましたか?
影山さん:最新のトレンドや市場規模、さらにグローバルな情報など、リキッドアイライナーに関する情報を丁寧に教えてくださいました。そうしたアドバイスのおかげで、自分たちが目指すブランドの軸を明確にすることができたのだと思います。

OEM企業の選び方次第でブランド成功は大きく左右される
―今年で発売から5周年を迎えるルミアグラスですが、昨年はリキッドアイブロウも新たに仲間入りしましたね。
影山さん:メイクの必需品として、アイライナーと同じ割合でアイブロウを挙げる声も多いことから実現させました。その一方で、実はこのアイテムの提案をしてくださったのは、ケミコスクリエイションズさんでした。
―OEM企業側から新アイテムを提案されたのは驚きですね。
影山さん:私たちのブランドがリキッドアイライナーに特化していたことが大きかったのだと思います。弊社としてはブランド知名度をワンランク上に押し上げたいと考えていたため、この提案はベストタイミングでした。アイライナー同様、アイブロウも豊富なカラー展開ですので、髪色に合わせた眉色を楽しむことができると思います。さらにアイライナーよりも短い筆先、いわゆるベビーブラシを採用していますので、手軽に繊細な眉を描くことができると思います。
―コスメ好きな女性たちによるブランド立ち上げから、わずか5年でここまでの成長を遂げたのですね。成功を掴むことのできた大きな要因についてお聞かせください。
影山さん:「ユーザー目線」のモノ作りという、立ち上げ当初から現在まで変わらないブランド理念だと思います。この軸は今後も継続させつつ、今後はより多くのプロダクト開発を通して、世の中の人々の美しさをサポートしていくつもりです。そのためにも、全幅の信頼を寄せているケミコスクリエイションズさんとは、今後も良い関係を築けたらと思います。
―新たにブランドを立ち上げたいと考える人にとって、まさに有益な情報だと思います
影山さん:私たちと同じく、近年では未経験でコスメブランドを立ち上げるケースが非常に増えています。ブランド成功に必要なのは、ブランドコンセプトの明確さに加え、OEM企業選びが重要となります。ケミコスクリエイションズさんは、リキッドアイライナーをはじめとするアイメイクプロダクトの開発において、これまで多くの実績と高い技術力を培ってこられた企業です。私たちのように、「アイライナーをつくりたい」と考える方にとって、信頼できる心強いパートナーだと思います。

What’s“LUMIURGLAS”
2020年にローンチされたコスメブランドで、初期はリキッドアイライナーに絞って製品を開発。繊細な描き心地と豊富なカラーバリエーションで、一般ユーザーだけでなくメーキャップアーティストの愛用者も多数。2024年にはリキッドタイプのアイブロウも新登場。