高品質を維持させる信頼性と現場力

ケミコスクリエイションズ八潮工場

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リキッドアイライナーの品質を支えるのは、開発だけではありません。毎日、何万本もの製品を安定して生み出す“製造現場の力”も欠かせない要素です。
ケミコスクリエイションズは、容器と処方の一体設計にこだわり、国内外120社以上のブランド開発を支えてきました。その中核を担うのが、埼玉県・八潮にある自社工場です。今回はこの八潮工場で実際に働くスタッフに、品質へのこだわりや現場の工夫、ものづくりへの想いについてお話を伺いました。

リキッドアイライナーの製造に特化した設計~検査まで一貫対応の自社工場

―近年、異業種から化粧品業界への参入が増えるなか、OEMを活用した製品開発に注目が集まっています。背景としては、開発製造コスト負担を抑えながらビジネスを始められる有効な手段と捉えられているためです。中でも、リキッドアイライナーに特化したケミコスクリエイションズの八潮工場は、一貫体制と対応力で業界内でも高く評価されている施設のひとつです。今回はその強みをひも解くべく、まずは「一般的なOEM工場との違い」について伺いました。

Aさん:八潮工場は国内でも数少ない、リキッドアイライナーの製造に特化した施設となっております。一般的なOEM工場では複数のカテゴリを取り扱っており、リキッドアイライナーを製造していても力を入れているところは少ないです。また、アイライナーを製造していても、処方や容器を他社から購入する会社が多いですが、弊社は処方や容器の設計開発、容器成型や組み立て、中身の製造から充填包装等、スタートからお客様に届くまで全てを担っております。そしてリキッドアイライナーを製造するということを最大限に生かすため、施設に設置された機器などはすべて弊社のオーダーメイド。1996年から研究を重ねた、先人たちの知恵を集結させた専用設計設備を揃えております。

Mさん:そしてこの工場では、竣工翌年の2020年に【ISO22716(化粧品GMP)】の認証取得をしております。この国際規格は、製品の安全性と品質維持のための製造管理基準を定めたもので、製造現場としての信頼性にもつながります。

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―近年では取得している企業も増えてきましたが、まだ世間では広まっていない時期から認証取得をされていたのですね。

Mさん:弊社ではハイブランドからプチプラコスメまで、幅広いブランドさまと開発を進めております。どのブランドさまにも共通しているのが、「自分たちが考える最高品質のものをお客さまに届けたい」という想いです。その実現のために【ISO22716(化粧品GMP)】の認証取得は重要であると考えました。取得にあたっては、ISO審査員の方々から多くのご指摘やアドバイスをいただき、一つひとつ丁寧に対応を重ねてきました。
現在は、品質管理・製造体制ともに高いレベルで整備された、信頼いただける環境が構築できていると考えています。

Yさん:その一方で、落ち着いた雰囲気の来賓室や大勢の来客にも対応可能な会議室、従業員専用食堂など、職場環境にもこだわっています。一見すると製造工場には不釣り合いなスペースと思われがちですが、「良い製品は、良い環境から生まれる」という考えのもと、従業員が最大限のパフォーマンスを発揮できる環境づくりを大切にしています。

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安心・安全な品質を保証するトップレベルの衛生環境

―八潮工場の設備についてもう少し詳しくお聞かせください。まずは高い品質を保つための環境として、どのような体制が設けられているのでしょう。

Aさん:リキッドアイライナーは目元という繊細なパーツに触れるものなので、化粧品の中ではトップレベルの衛生管理が求められます。理想的な環境を維持するため、この工場では製造現場だけでなく、製品の品質と安全を確認する微生物試験室もクリーンルームという徹底ぶり。さらにどの部屋もクラス 10,000という高い清浄度を保っており、可能な限りの衛生管理を追求しております。

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―リキッドアイライナーは主にブラックやブラウンなど、濃い色の原料を使用されていますよね。清浄度の維持も大変なのではないでしょうか?

Yさん:リキッドアイライナーには粒子の細かい原料が使われているため、製造過程で原料が空気中に舞いやすく、施設内の壁が黒ずんで汚れてしまうんです。しかし、八潮工場ではそうした汚れを防ぐため、機器の使い方や配置に工夫を凝らし、日常の清掃も徹底しています。実際、工場内は常に清潔な状態が保たれており、訪問されたお客様にもよく驚かれます。

Aさん:私は常日頃から「汚れはその日に落とすこと」と言い続けているんです。リキッドアイライナーは速乾性と耐久性がある分、乾いてしまうと清掃が非常に困難です。だからこそ、その日のうちに清掃を済ませ、完璧な状態にして1日を終える。これが絶対ルールです。

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検品機器のオート化で返品・クレームを最小限に

安心・安全な製品づくりのためには、検品体制も重要です。その辺りについて詳しくお聞かせください。

Aさん:リキッドアイライナーの生産では、ボトル内に入れる部品の装着状態、内容量、液漏れなどの検品が行われます。どの工程も欠くことのできない大切な作業ですが、手動での確認はとても手間がかかるものでした。そこで近年では最新鋭の機械を導入して、自動化・機械化を進めております。

Yさん:自動化のメリットは、少ない人員で生産ができるだけでなく、人の目では見ることのできなかった細かい部分にも目を配ることができるようになったこと。手動では生産確認に5人もの人員が必要でしたが、機械化させることで人員は2名まで削減。さらに短時間で検品を済ませることができて、欠品の見落としもなくなりました。

Aさん:内容量確認の場合、弊社製品の公差は±0.06gです。1滴が約0.04㎖と言われていることから、高い精度で製造していることがお分かりになると思います。

Yさん:検品項目に、筆記描線の色味、筆の状態とかすれの確認があります。購入された方が不良品を手に取ってしまうのは絶対に避けたいので、最後まで手を抜くことなく検品するよう心がけています。

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―徹底した検査体制を貫いているのですね。ちなみに返品率はどれくらいでしょうか?

Aさん:昨年の返品は1件。しかも搬送中に強風によりパレットから製品が落下してしまったという事故によるものでした。このように、製造起因のクレームや返品はほとんど発生していません。それが、工場全体で“安心して任せていただける品質”を意識し続けている結果だと思っています。

年間製造数は約2,000万本大量生産を叶える徹底した管理体制

―そしてケミコスでは、年間で約2,000万本という驚異的な生産量を誇っております。このような生産能力を保つことができる理由についてお聞かせください。

Mさん:検品体制と同じく、生産ラインも自動化がメインとなっています。さらにこの工場では、リキッドの充填・製造・搬送まで、すべてを1つの施設内で完結できる体制が整っています。製造から搬送までをこちらの施設内で完結させることができます。さらにボトル(容器)もグループ会社が製造したものを使用しているため、短期間での大量生産を実現させることができます。

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Aさん:ただし、1部屋1製品1ロットを絶対のルールとして、決して同じ空間で同時に2種類以上の製品の生産をすることはありません。効率アップを狙う一方で、製品のクオリティは常に高い状態を保っています。

―高度な衛生環境と徹底した検査体制、そして大量生産を叶える管理システムの素晴らしさを改めて実感することができました。この工場であれば、異業種から化粧品業界に参入される方でも安心して委託できる体制が整っています。

Aさん:ケミコスクリエイションズには経験豊富な営業や研究スタッフが在籍しており、化粧品づくりの知識が浅い方でも丁寧に一つひとつご説明できる体制を整えています。それでも実際の製造を見たいと思われた方は、ぜひ八潮工場に足を運んでください。

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