リキッドアイライナーの市場動向と信頼される製品の条件とは

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リキッドアイライナーの市場規模は上昇傾向を継続しており、化粧品業界では一目置かれる存在となっております。このような背景を踏まえ、営業部と開発部それぞれの視点で、リキッドアイライナーの現状について分析。さらに、今後の展望についても話を聞きました。

韓国コスメが席巻状態の中、リキッドアイライナーは日本が最強

―ここ数年、コスメ業界は大きく変化を遂げてきたと感じています。現在のコスメ事情についてお聞かせください。

営業部Kさん(以下Kさん):2020年以降、韓国ブランドが勢力を増しており、日本のブランドはやや勢力を弱めている状態にあります。特にSNSで情報収集をする若い世代は、お気に入りのコスメに韓国ブランドを挙げる人も多いと聞きます。近年では中華ブランド、さらにはスタートアップ企業の参入も目立ち始めています。

―スタートアップ企業の参入が目立っているのは、具体的にどのようなアイテムですか?

Kさん:最近ではヘアケア関連が注目されています。ただし、これに関してはスタートアップ企業だけでなく、大手ブランドやドラッグストアを中心に展開しているブランドも力を注いでいるため、競争率はかなり高めといえます。

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営業部Tさん(以下Tさん):そして、もう1つのアイテムがリキッドアイライナーです。実はこの動きは10年前から始まっていて、国内シェアの上位は韓国ブランドでも国内の大手ブランドでもありません。10年前から上位にランキングされるのは、ドラッグストアを中心に展開しているブランドに限定されており、不動の地位を獲得している状態です。このため「アイライナードリーム」なる言葉も生まれています。
例えばスキンケアの場合、肌への負担を恐れるため、ユーザーはブランドの知名度で選択する傾向にあります。メイクアップに関しては、やはり韓国ブランドが根強い人気を誇っている状態。とはいえ、リキッドアイライナーは、日常的に使用される製品のため、手頃な価格で購入できるブランドが人気を集めています。

Kさん:日本製の場合、ブラックとブラウンのたった2色だけでも、数十種類のカラーバリエーションがあり、他にも多彩なカラー展開を楽しむことができます。これらの製品を陰で支えていたのが、私たちケミコスクリエイションズです。現在では国内のリキッドアイライナーの6〜7割が自社製品となっております。

売れているリキッドアイライナーは 「高品質なのにお手頃価格」 

―リキッドアイライナーの市場成長に貢献しているケミコスクリエイションズですが、その歴史についてお聞かせください。

Tさん:ペン型タイプのリキッドアイライナーが主流になったのは、実は2000年代に入ってからのことで、意外と歴史は浅いのです。それ以前はつけペンタイプやジェルが多く、ペン型のアイテムは市場にほとんど存在していませんでした 。さらにアイラインは「プロのヘアメイクが最も神経を使うメイク」ともいわれていて、アイライナーは扱いにくいコスメというイメージが強かったんです。もっと簡単に、さらに自宅でも安心して使用するためにはどうすれば良いか。そこで生み出されたのが、弊社の創業者が作り出したペン型のリキッドアイライナーです。この技術に多くの企業が関心を寄せることになったのです。

―リキッドアイライナーの基盤作りで、特に力を注いだのはどのような点でしょうか?

Kさん:アイライナーは目のまわりに直接描くものですから、安全性は絶対に確保しなくてはなりません。そして使用頻度が高いため、高額なものは避けたいところ。品質を損なうことなく、手頃な価格に仕上げるための開発技術に力を注いだのです。その結果、高品質で手に取りやすい価格を実現させることができました。国内シェアのトップを独占することができたのは、長年にわたる開発努力も大きな要因だと感じています。

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リキッドアイライナーに求められる3大要素「安全性・発色性・機能性」

ここからは開発部の方にお話を伺います。製造内容について、特に優れている性能についてお聞かせください。

開発部Sさん(以下Sさん):まずは豊富な色の種類です。市場の7割はブラックとブラウンといわれておりますが、ブラックとブラウンにもさまざまな色合いがあります。加えてユーザーの要望も高まっているので、ブラック1つを取っても細かいニーズが求められます。その点において、弊社は確実に対応できる自信があります。近年では透け感のあるシアーなブラウンのオーダーが多いのですが、この色を出すためには高度な技術が必要とされます。他社では出せないような色合いでも、リキッドアイライナーだけを研究してきた私たちであれば作り出すことができます。

―相手が求める理想の色を実現させることができるのは魅力的ですね。

Sさん:理想の色を出すことができても、耐久性や使い心地が良くなければ継続的な使用にはつながりません。完成したリキッドアイライナーは、色ムラや掠れがないことを確認するだけでなく、肌触りや液体のテクスチャーに至るまで、納得がいくまで試作を行います。そして一番重要なことは安全性です。目元付近に密着させる液体なので、万が一目の中に入ってしまっても危険が及ばないような液体であることはもちろん、筆や容器の不備も細かくチェックしています。

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―他社では真似することのできない、高品質製品を生み出すことができるということですね。

Sさん:何度も作り、自分たちの肌で体感するのは他社でも行われていると思います。ただ、リキッドアイライナーは特殊な製造器具が必要となるため、自社工場で生産している大手ブランドはそこまでコストをかけることができません。それに比べて、弊社はアイライナーオンリーで勝負しているため、あらゆる製造器具が揃っています。環境が整っている自社だからこそ、新たな製品開発も叶えることができるのです。

 

多くのメーカーを虜にする「最先端の技術が生み出した特殊カラー

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リキッドアイライナーの「カーボンブラック処方」の開発によって、多くのブランドから注目を集める存在になりましたね。

Sさん:かつてリキッドアイライナーのブラックというのは、透け感のある色味しか作り出すことができませんでした。より深みのあるブラックを目指して生み出されたのが、創業者が開発したカーボンブラック処方です。これにより国内はもちろん、海外の企業からも製造オファーが舞い込んでくるようになりました。

―「カーボンブラック処方」の開発以降、現在はどのような色が生み出されていますか?

Sさん:主力のブラックとブラウンの多彩なバリエーションに加え、近年ではラメ入りが大きな話題を呼びました。ラメはペン型タイプの場合、容器内や筆先に詰まりやすく、使用できるラメの大きさにも制限があります。そのような制約がある中で、筆先に負担がかかることなく均一にラメを放出させるため、試作を繰り返して完成させました。この技術も、他社では真似のできることではありません。以降、ラメ入りをご注文されるお客様が増えたように感じています。

 

筆、染料、容器、etc....。リキッドアイライナーを支える数々のパーツたち 

―多彩な色を操るためには原料となる素材選びも重要なポイントですね。

Sさん:既存の原料だけではモノ足りないと感じた際には、展示会に足を運んだり、ネットで企業を検索したり、市場に出ている成分表を見たり、いろいろな角度から調査を行います。興味のある原料メーカーを見つけたら、すぐさまコンタクトを取って直接足を運ぶこともあります。現在、開発部には10数名在籍しており、それぞれが得意な分野で原料を調査し、それぞれ情報を共有するよう心がけています。

―色の調合に加えて、筆や容器の開発に必要な素材選びもされるのですか?

Sさん:筆や容器は素材選びも大事ですが、クライアント様が希望されるデザインに機能性を持たせる技術の方が重要となります。筆の太さ・長さのちょっとした違いでも、インクの処方は異なります。さらに容器の外面素材やキャップの形など、さまざまな要望に応えるためのデザイン作りも必要となります

―新たな素材選びと筆や容器との相互性の確認、そしてクライアントの要望と、製品開発に至るまでには多くの課題が求められるのですね。

Sさん:私たちはアイライナーしか作っていない、アイライナーに特化している企業です。他社とは比べ物にならないくらいの実績を持っているからこそ、これらの課題をクリアすることができるのです。発色の良さ・汗や皮脂に対する耐久性・肌にやさしい処方であることは最低条件で、今度はさらに高度な技術を搭載したアイテム作りが求められるようになると思います。近年では人間工学に基づいた容器開発も進んでいるため、常に課題は山積み状態ですが、弊社の企業理念は「はじめてをはじめてに」です。これからも新たな製品作りに挑戦して、お客様に喜ばれる企業となるよう邁進したいと思います。

 

製品の認知度を底上げ。ケミコスクリエイションズが考えるブランディング術

―既に国内には数多くのリキッドアイライナーが存在していますが、新規ブランドの参入で成功を掴むことは可能でしょうか?

Tさん:もちろん可能です。スキンケアやカラーコスメの場合、どうしてもラインナップを揃えなくてはなりません。コストも時間も必要になり、当然ながらリスクも高まります。その点、リキッドアイライナーは1本で勝負することができます。定番アイテムにしやすいところもポイントですね。

―実際に製品開発を相談された場合、まずはクライアントにはどのようなことをお伝えしますか?

Kさん:私たちはOEM企業ですから、クライアント様の希望に沿うための製品開発をすることが第一だと考えていますので、製品ニーズやそのブランドの想いなどを徹底的にヒアリングさせてもらいます。リキッドアイライナーに特化した製造を行っているのは、世界を見渡してもケミコスクリエイションズだけといっても過言ではありません。中身(インク)と容器の両方を製造しているのも、他の企業にはない強みであると感じています。そのような背景から、製品の完成まで責任を持って見届けることができるため、商品力の点では不安はないことも最初にお伝えしています。

Tさん:化粧品開発をしたことのないクライアント様には、一緒にブランディングについて考えたり、ときにはアイディアを提案したりすることもあります。リキッドアイライナーに関する豊富な知識や情報を踏まえ、あらゆる角度からアドバイスをすることも可能です。

Kさん:ブランド立ち上げのハードルが高いと感じるのであれば、ギフティングやノベルティからスタートさせる方法もあります。リキッドアイライナーは、定番カラーであれば肌の色や好みに左右されず、誰でも使うことができます。数あるコスメの中でも、あらゆる人に対応できるアイテムというのは限られています。リキッドアイライナーは新規参入しやすい分野なので、興味のある方はぜひ一度ご相談ください。

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